異文化の中の外資系(PR記事が含まれています)。
外資系で働いていると異文化のハザマに立たされることも多々あります。
自分の失敗の責任をなかなか認めない欧米社会
日本の社会と欧米社会との大きな違いは、よく言われるように、謝り方にあります。例えば、日本では何か問題が発生するとすぐに謝り、 謝られる方もそれで一件落着したような感じになり、追求の矛先が鈍ってしまいます。
例えば、製品に問題があったりすると、日本では、直ちに記者会見を開いて謝れ、と強く迫ります。 でも、外資系企業は、あ〜だ、こ〜だと言い訳ばかりで、なかなか謝りません。裁判沙汰になることを恐れ、また、言ったことが裁判で引用されるかと恐れるからです。そうすると、日本のマスコミなどはます強く反発し追求してきます。
外資系では問題が発生すると、問題の原因、責任がどこにあるかがはっきりしない限り簡単に謝ったりしません。裁判できっちり決着しない限り、謝ったりしないのが欧米社会です。 このようなとき、外資系の日本人広報担当社員は板ばさみにあいます。
もうだいぶ昔の話になりますが、エレベーターの扉が自動的にしまり挟まれた方が亡くなるという痛ましい事故がありました。このとき、会社の法は言い訳ばかりでマスコミの前でなかなか謝罪しませんでした。確かスイスのメーカーだったと思います。また、数年前に発生した外食産業の異物混入事件でも、社長がなかなか登場しないでマスコミにたたかれました。 でも、外資系ではこんなことはしょっちゅうです。日本人社員が一生懸命説得しても、なかなか納得してくれません。
内情が想像できる僕としては、こんなことが起こると「やってる、やってる」と思ってしまいます。もっとも、日本人は何か起こるとすぐに謝れ、謝れと言うばかりですが。
トップダウンの意味するもの
日系企業はボトムアップ、外資系はトップダウンの経営をするといわれています。どちらが良いかはそれぞれメリット、 デメリットがありわかりませんが、外資系へ転職する場合はこのトップダウン経営を理解しておく必要があります。
例えば、経営トップがある戦略を打ち出すと、従業員は一斉にその戦略通りにことを進めていくことが求められます。 日本の会社のように何かを実行する場合、その前に根回しを、ということはありません。
このようなとき、日本人社員は自分の気持ち、意思を無視して会社の方針にしたがって動くことになります。 当然、いやいややることもあります。でも、給料をもらっているからには、それを実行しなければなりません。
その戦略が成功しようがしまいが、その責任はその方針を出したトップにあり、やることをやれば、 成功も失敗も方針を出したトップのものということですから、ある意味気楽です。当然、失敗すれば、最悪の場合トップはクビになっったりします。
世界統一戦略というクセモノ
グローバル企業に多い例ですが、外国にある本社で世界戦略というものを打ち出し、それが日本市場に合う合わないにかかわらず、 日本もこの戦略で行くんだ、と押し付けてくる場合があります。 この背景には、飛行機や通信の発達により世界は狭くなったという状況があります。
しかし、それが日本で当てはまらない場合、直接販売を担っている販売会社との接点にいる営業マンが一番苦労することになります。
「そんな戦略が日本で通用しないのはわかっているだろう?」と販売会社の幹部に言われますが、「わかっていますが、そこを何とか」 といって、理屈にならない理由で販売会社にお願いすることもあります。